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30代ビジネスマンの備忘録。 マネジメントやマーケティングに関するビジネススキルや、サウナ、ウィスキー、時計などの趣味について。

【企業分析】b-monsterから学ぶ掛け算のビジネス【暗闇ボクシング】

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【企業分析】b-monsterから学ぶ掛け算のビジネス【暗闇ボクシング】

 

「アイデアは既存の要素の新しい組み合わせである」

 

名著『アイデアのつくり方』で著者であるジェームズ・W・ヤングが残している言葉です。

 

この言葉通り、既存のもの同士を組み合わせて全く新しいビジネスで成功したのが、

b-monsterです。

 

 

b-monsterとは?

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真っ暗なスペースに光るさまざまな色の照明、EDMを中心とした爆音のダンスミュージックが流れるクラブのような環境の中で、ボクシングをするという全く新しいエクササイズが、b-monsterです。

 

元々アメリカ発祥のエクササイズですが、

それを初め日本に取り入れ大ヒットさせています。

 

また、驚くべきは、経営をするのは20代の姉妹で、

創業はまだ学生時代という点です。

 

2016年に起業をして、その2年後には売上高22億円。

店舗数も国内9店舗、海外4店舗と大きく拡大しています。

 

その急成長にはどのような背景があるのか?

を分析していきたいと思います。

 

b-monsterの経営フレームワーク分析

 

  1. 「ターゲット」⇒顧客
  2. 「バリュー」⇒提供価値
  3. 「ケイパビリティ」⇒リソース・オペレーション
  4. 「収益モデル」⇒プロフィット

 

この4つの切り口から分析を行っていきます。

 

ターゲット

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ボクシングというと主に男性の印象が非常に強い競技ですが、

b-monsterはあえてメインのターゲットを女性に設定しています。

 

「格闘技」や「スポーツ」ではなく、「エクササイズ」という切り口で、

ダイエットや運動をしたい20~30代女性に対してアプローチをしています。

 

バリュー

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都市部で働く女性にとっては、

全力で身体を動かすことができる機会というのはなかなかありません。

 

  • スポーツジムは、パーソナルな空間はほとんどなく周りの目を気にしてしまう。
  • カラオケでは、ストレス発散はできてもあまり運動にはならない。
  • クラブは、アルコールが出るし雰囲気自体が得意でない人もいます。

 

そのような「もやもや」のソリューションとして、

他人の目を気にせず思い切り身体を動かせる「場の提供」が、

b-monsterの提供価値だと言えます。

 

ケイパビリティ

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1.ボクシング×特殊環境
  • 非日常空間
  • 最高の音響設備
  • パンチの爽快感

 

これらの要素の掛け合わせによって、

b-monster独自のエンターテイメント型のフィットネスという新しいジャンルを

確立していると言えます。

 

2.パフォーマー

b-monsterではインストラクターのことを「パフォーマー」と呼んでいます。

これは、「教える人」ではなく、「魅せる人」という位置づけにする為です。

 

また、パフォーマーはフィットネスの経験者よりも、

ダンサーや俳優、女優を起用しており、

個のパフォーマーに対してファンが付くというような事例もあります。

 

そのような人材を活用また収集するために、全員を正社員雇用として給与水準はフィットネス業界平均である17万円に対して、大幅に高い22万円という高水準に設定されています。

 

 

3.ステータス感

b-monsterは、誰でも気軽に通えるフィットネスクラブを目指しているのではなく、

b-monsterに通っていることが会員の1つのステータスになるような仕組みづくりをしています。

 

具体的には

  • 銀座をはじめとした都市部を中心に出店している。
  • 入会金を業界の中でも高めに設定。
  • 入会までの導線をあえて複雑にしている。

 

これらの入会のハードルを少しだけ上げることで、

ブランドに対するロイヤリティを高めていると言えます。

 

収益モデル

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b-monsterの主な収益は、

会員からの月額利用料です。

 

一般的なフィットネスクラブと比較するとb-monsterの会費は、

高めの設定となっています。

 

  • 一般的なフィットネスクラブ…月額8,000~13,000円程度
  • b-monster…月額10,000~30,000円

 

こだわりを持った演出や指導、立地を総合すると、

妥当な金額だと感じます。

 

また、今後もブランドイメージを維持する為に、

無理な拡大路線はしていかないと思います。

 

そうした中で、収益のポートフォリオとして、

会員ビジネスのほかに、

  • フィットネス以外の空間利用
  • パフォーマーの個の影響力を活かしたビジネス

などまだまだこれからのポテンシャルもあると感じました。

 

まとめ

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参照