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30代ビジネスマンの備忘録。 マネジメントやマーケティングに関するビジネススキルや、サウナ、ウィスキー、時計などの趣味について。

【企業分析】トラノコから学ぶ投資初心者向けビジネスモデル【アプリ投資】

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【企業分析】トラノコから学ぶ投資初心者向けビジネスモデル【アプリ投資】

 

人生100年時代と言われる昨今、資産形成に関する様々な方法が提案されています。

 

不動産、保険、株式、投資信託、仮想通貨…

 

しかし、どれも専門的な知識が必要そうでハードルが高く感じます。

そのような資産形成において、投資信託の分野で注目を集めているのが、

トラノテックが運営する「トラノコ」というアプリです。

トラノコとは?


おつりで投資 トラノコ Long Ver.

スマホアプリで提供される「トラノコ」はお釣りで投資ができる少額投資サービスです。

 

実際は、お釣りで投資をするのではなく、アプリに登録したクレジットカードでの買い物データを元に投資額を決める仕組みとなっています。

 

TORANOTEC投信投資顧問が運用する3本の投資信託から自分の好きなファンドを選んで投資をするスタイルです。

 

投資は5円以上、1円単位から可能で、

  1. リターン重視⇒「大トラ(リスク大)」
  2. バランス重視⇒「中トラ(リスク中)」
  3. 安定重視⇒「小トラ(リスク小)」

から選択ができます。

 

「トラノコ」の経営フレームワーク分析

  1. 「ターゲット」⇒顧客
  2. 「バリュー」⇒提供価値
  3. 「ケイパビリティ」⇒リソース・オペレーション
  4. 「収益モデル」⇒プロフィット

 

この4つの切り口から分析を行っていきます。

 

ターゲット

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欧米と比較して投資文化があまり根付いていない日本では、

いまだに「不安」や「難しそう」という理由から投資に足を踏み出せていない人が、

多く存在していると思います。

 

そんな投資に対する抵抗感を持った投資初心者が、

このサービスのターゲットと言えます。

 

バリュー

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ターゲットユーザーにとって最も大きなハードルは投資の金額です。

 

  • 初めての投資で失敗したらどうしよう。
  • 損はしたくない。

 

少額投資という価値提供によって、

そのハードルを大きく下げていると言えます。

 

トラノコを運営するトラノテックの取締役・藤井氏はこう語ります。

「5円から1円単位で投資ができる『トラノコ』を従業員の方に使っていただき、まずは少額でも投資を始めることで、投資や資産運用に対する心理的なハードルが下がります。それがステップとなって投資への興味関心が高まる効果があります」

 

ケイパビリティ

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初心者が実際に投資を行う上での仕組みも、

連携サービスを充実させることでシンプル化しているのが特徴です。

 

1.クレジットカードや電子マネーの登録のみ

普段使っているクレジットカードや電子マネーからクイックに登録が可能です。

 

それにより、新しく口座を作る必要性や、

毎回必要な資金を口座に振り込む必要もなくなります

 

2.マイル・ポイントを利用した投資

現金の引き落とし以外にも対応しています。

 

旅行で貯めたマイルや買い物で貯めたポイントを、

そのまま投資に回すことができます。

 

3.学割

「トラノコ学割 U22」という学割システムがあります。

登録の際に学校名と学籍番号を入力するだけで23歳の誕生日まで月額手数料が一切無料となります。

 

学生のうちから資産形成について学ぶ機会を増やすということは、

トラノコのビジョンともマッチしているように思います。

 

収益モデル

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トラノコの収益源は、以下の2つです。

 

  1. 月額利用料300円
  2. 運営報酬3%

 

特徴としては、運営報酬を一般的な数値より低めに設定し、

その代わり月額利用料を取っているという形です。

 

また、投資をする側から見ると、おつりで発生する少額での積み立てを中心に考えるのであれば、短期的な取引においては月額利用料の負担額が大きいように感じます。

 

あくまで、月額利用料が負担にならない長期的な積み立てを検討している人向きであるという印象です。

 

まとめ

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自分自身もそうですが、投資というと「必要なお金を集めなければならない」とか「しっかり勉強して望まないといけない」と気構えてしまい、そのうち実行が流れてしまうという経験がある方は多いと思います。

 

そういった意味で、「おつり」を利用するというアプローチは斬新かつ、まずやってみようと気持ちを喚起してくれます。

 

積み立て型の投資という長期的なビジネスモデル故に、「トラノコ」で顧客をつくり、そこから育てていくという若い世代へのアプローチがポイントになってくると感じます。

 

参照