緊張することで損をしない為に必要な3つのアプローチ。
緊張することで損をしない為に必要な3つのアプローチ。
「緊張してしまっていつも通りのパフォーマンスが出せない」
- ここぞという場面
- 初対面の人とのコミュニケーション
- 慣れない環境
僕は緊張によって思うような結果を残せない。という経験を幾度となくしてきました。
そして、最終的に本番で結果を出せないなら、どれだけ努力しても、意味はないんじゃないのか?と自己嫌悪に陥ってしまうこともありました。
仕事においても、重要度が高いもの程、「自分を良く見せなくてはいけない」と意気込んで臨むものの、極度の緊張で身体がガチガチになって、考えていたことも整理がつかず、言葉もしどろもどろに…ということが本当に良くあります。
しかし、この緊張さえ克服してしまえば、それなりの結果が出せるのではないか?そんな期待も同時に持っていました。
そんな時に手に取った1冊が、『アウトプット大全』などのベストセラーでも、有名な精神科医・樺沢紫苑氏の『いい緊張は能力を2倍にする』という1冊です。
緊張との正しい向き合い方
そもそも、緊張とは僕らにとって全く不要なものなのでしょうか。
その視点に立つと、全くいらないとは言い切れないのではないでしょうか。
例えば、
・野球のイチローは、「緊張をしない人は成功できない」という言葉を残しています。
・また、日常的に使われる「テンションが上がらない」という言葉も、直訳すると「緊張が足りない」つまり、緊張を求めていると捉えることができます。
そこから言えるのは、僕らが活動をしたり、そこで達成感を得る為には、一定の緊張状態も同時に必要であるということなのです。
つまり、本当に目指すべきは、過剰な緊張状態の排除。
そして、自分の緊張状態をコンフォートな状態にコントールすること。だと言えます。
しかし、本当にそんなことができるのでしょうか。
その方法については、次の項目より具体的に解説していきたいと思います。
過剰な緊張を押さえる為の3つのアプローチ
過緊張の状態では、
- 交感神経が優位
- セロトニンが低い
- ノルアドレナリンが高い
の3つのうちどれか。また、それらが組み合わさっている状態しかありえません。
1.副交感神経を優位する(「交感神経優位」への対処法)
交感神経とは、日中に活動する際に活発に働く「昼の神経」と呼ばれています。
(心拍数、血圧、呼吸数、体温の向上)
また、副交感神経とは夜リラックスしている時に働く「夜の神経」と呼ばれています。
(心拍数、血圧、呼吸数、体温の低下)
そして、これらは総称して「自律神経」と呼ばれます。
過緊張の状態をコントロールする方法の1つは、異常に活発になっている交感神経を、副交感神経を働かせることで、沈静化する必要があるのです。
その方法として、最も有効なのが深呼吸です。
本書で紹介されている呼吸法は以下のようなものです。
吸気の時間に対して、呼気の時間は最低でも倍以上はとらないと、副交感神経が優位になりません。例えば、呼気5秒だとすれば、10秒以上かけて息を吐くことが必要です。
- 全て息を吐ききる
- 細く長く吐く
- 腹式呼吸
- 呼気は吸気の2倍以上の時間で
- 10秒以上かけて吐く
2.セロトニンを活性化させる
セロトニンとは、「癒し」「安らぎ」をもたらす脳内物質です。
セロトニンが活発に出ているイメージは、座禅を組んでいるお坊さんがわかりやすいと思います。つまり、非常に心が穏やかで、安定していて、落ち着いている状態です。
逆にこのセロトニンが足りなくなることは、「うつ病」の原因だとも言われています。
しかし、僕らも緊張から解き放たれて心を落ち着かせる為には、修行僧にならなければいけないのか?というと、決して方法はそれだけではありません。
以下の方法が、日常の中でも簡単にできるセロトニンの活発化のアプローチです。
日光に当たる
セロトニンを活性化させる最もポピュラーな方法が日光にあたることです。セロトニンの合成は、朝早くからスタートし、午前中にピークに達し、午後になると低下していきます。その為、日光にあたる時間帯は朝がベストです。晴天の日だと、5分くらいの日光浴がベストだと言われています。
ガムを噛む
実はガムを噛むだけでも、セロトニンが活性化するという研究結果が出ています。
実際に、アメリカの大リーグの試合などでもガムを噛んでいる選手が多いことがわかります。
最低でも、5分以上、20分程度ガムを噛み続けることで目立った効果が表れると言われています。
姿勢を正す
抗重力筋と呼ばれる人間が直立する為に必要な筋肉があります。
この筋肉、実はセロトニンとも深く関係しています。
つまり、背筋を伸ばすとセロトニンが活発化するのです。
逆にセロトニンの分泌が弱まると抗重力筋がコントロールを失い、背筋が丸くなり、姿勢が悪くなってしまいます。その証拠に、うつ病で著者のもとを訪ねてくる人々は皆、前かがみの姿勢の人がほとんどだと言います。
3.ノルアドレナリンをコントロールする
ノルアドレナリンとは、緊張をもたらす危険回避脳内物質と呼ばれています。
具体的に、ノルアドレナリンが分派される場面というのは、「目の前にクマが現れた時」や「夏休みの最終日に全く宿題が出来ていない時」こんな絶体絶命な状況です。
危険を感じて生き残る為に、最大のパフォーマンスを発揮してくれるのが、ノルアドレナリンなのです。
しかし、このノルアドレナリンも過剰に分泌されすぎてしまうと、逆にパフォーマンスの低下につながります。
その際に、覚えておくべきことは、僕らが察知する危険は「後天的な学習によるもの」であるということです。
つまり、緊張をもたらすような場面でも、しっかりと予行演習や準備などに手を抜かないことで、ノルアドレナリンの分泌を適切にコントールする上で、過剰な緊張を押さえることができるのです。
まとめ
- 「交感神経が優位」なときは、交感神経にブレーキをかける
- 「セロトニンが低い」のであれば、セロトニンを高めればいい。
- 「ノルアドレナリンが高い」ときは、ノルアドレナリンを下げればいい。
緊張をコントールする為のメカニズムは、理論化すると意外にもシンプルです。
僕らに大切なのは、自分が緊張に陥る場面はいつ訪れるのか?を自分なりに理解して対策を取っておくことに他ならないと思います。