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30代ビジネスマンの備忘録。 マネジメントやマーケティングに関するビジネススキルや、サウナ、ウィスキー、時計などの趣味について。

ダニング=クルーガー効果から考える部下育成プロセス

ダニング=クルーガー効果から考える部下育成プロセス

 

部下育成が非常に上手なマネージャーというのが、一定数存在する。

そういう人を見ていると、褒めて伸ばすアメと厳しく指導するムチのバランスを絶妙に使いこなしていると感じる。

 

そして、このバランス感覚の獲得には、ダニング=クルーガー効果というものが密接に関わっているのでは?というのが、僕の最近の気づきだ。

 

ダニング=クルーガー効果とは、認知バイアスのひとつで、自身の能力や容姿、言動や立ち振る舞いなど様々な場面において、実際の評価と自己評価にズレが生じる心理現象の一つ。

 

この時、自己評価が客観的評価よりも高い場合(=過大評価)をダニング=クルーガー効果と定義している。ダニング=クルーガー効果は1999年に論文で効果を示し、ダニングとクルーガーに定義された。

 

つまり、上述したバランス感覚の優れたマネージャーというのは、この理論を用いて部下の自己認知状態に合わせて、アメとムチを使い分けていると言える。

 

 

例えば、図にあるように自信に満ち溢れて「馬鹿の山」の頂上にいる部下には、ムチを打って山を下山させる必要があるし、「絶望の谷」に落ちている部下にはアメをあげて引き上げなければいけない。

 

そして、「啓蒙の坂」を登りはじめた部下とは並走し、「継続の大地」にたどり着いたら自立させる。

 

こんな育成プロセスが必要なのだと思う。

 

僕自身、部下育成とは、本人の特性に合わせ「褒められると伸びるタイプ」にはひたすらアメをあげ、「厳しくすると伸びるタイプ」にはひたすらムチを打っていれば良いと思い込んでいた。

 

しかし、必要なのはこのような部下の状態に合わせた育成アプローチであることを改めて実感した。