【アカデミー賞7冠】『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』の感想
僕自身、元々映画のジャンルとしては、ヒューマンドラマ系が好きなので、この手のコメディアクションは、あまり鑑賞しないのだが、アカデミー賞7冠などの大きな話題につられて鑑賞したいだ。
その感想を一言で表すならば…
脳内細胞総動員
この映画のぶっ飛んだ展開についていく為には、そんな表現になるのだろうか。
2時間半という長尺の上映時間だが、ずっとジェット機で世界中を飛び回っている感覚なので、ほんの一瞬で過ぎ去っていった。
この映画のスピード感と特殊性は、1つの作品の中に以下の3つのポイントが全部乗せで集約されている点だろう。
・カンフーコメディアクション
・マルチバースの多層世界
・家族愛
特に印象的だったのは、マルチバース世界表現だろう。
これは、『マリックス』で表現されているような仮想現実とは少し異なり、「if」の世界線が表現されている。
本作の主人公であるミシェル・ヨー演じるエヴリンは、メインの世界線ではコインランドリーを営む一般人だが、ほんの少しの選択肢の違いで存在する別の世界線では映画界のスター女優、シェフ、カンフーの達人となっており、それぞれの世界から能力をダウンロードし、敵と戦うという描写が描かれる。
見ている側の感情としては、映画序盤から中盤では、多層な世界線を飛び回るエヴリンに自分を投影させ、自分に対する様々な未来の可能性に胸高鳴るのだが、終盤にかけて、「いま目の前の大切さ」というものにも気づかせてくれる。
そのような、展開、感情ともジェットコースターな作品だった。