なぜ職場での嫌がらせやいじめがなくならないのか?
結論から言うと、加害者は自分のことを被害者だと勘違いしている。
それは、嫌がらせをしている人間の無自覚さが根底にあると思う。
そんなことを感じさせる出来事があった。
後輩女性社員からの相談
先日、A売場リーダーのベテラン女性社員aさんから嫌がらせを受けているという、隣合うB売場リーダーの女性社員bさんから相談を受けた。
内容は、「売場同士の境を越えてA売場の商品看板を置いて、正しい位置に戻そうとすると威圧的な対応をしてくる為、何もできずにいる。常にプレッシャーを与えられているような気がして仕事にならない。」とのこと。
僕は正直、看板の多少の位置など非常に些末な問題で、さして気にする事ないし、超昭和的感覚なトラブルにげんなりした。
一方で、現場で勤務時間の大半を狭い売場区画で過ごす彼女にとって、その人間関係のもつれは、大きな問題であるとも思った。
加害者の言い分
看板をどうするかはさておき、時間をとってaさんの言い分を聞くことした。
a「bさんは今の売場に着任してもう2年ほどになるのに、業務スキルが全然身についておらず、時間があれば同じ売場のメンバーとおしゃべりばかり。全く向上心が感じられず、モチベーションを高く保っている自分としては、非常にストレスに感じる。結果も自分のほうが残しているのに、看板も売上を上げるためにやっているのに、多少境目を出ているくらいで攻められる必要があるんですか?」
確かに、言っていることは一理ある。でも、腑に落ちないこともある。
3つの違和感
- 被害者意識
- 目的のすり替え
- 根拠なき自信
- 相手に攻撃的姿勢をとっていることを棚に上げ、自分が努力していることが認められないという被害者思考になっている。
- おそらく、本来の目的はモチベーションが低くて気に食わない隣のbに対するストレス解消の為にしているアクションを「売上のため」とすり替えている。看板1つで売上があがるのであれば世話はない。
- 在籍年数が長い&業務について知識が多い=偉い=何をしてもよい。という謎の自信を持っている。
この違和感を解消することがaさんとの対話のゴールだなと思った。
伝えたこと
・結果から考える。
看板を移動した効果は果たしてあったのか。結果としては、誰にもわからない。
ただ、一つ言えるのは隣の売場をbにプレッシャーを与え続けていたということだけ。
何かアクションをとるのであれば、効果測定の基準を設定した上で検証するのが鉄則。
・客観的に見てダメなことはやめる。
「隣合う売場同士のスタッフがにらみ合ってる。」
「区画からはみ出た雑多なレイアウト。」
「スタッフ同士のおしゃべり。」
客目線で見たら全部NGだ。
aさんもbさんも主観的になりすぎて、まわりが全く見えていない。第3者から見たらどう見えるか。ということを考えなければいけない。
・自分以外から気づきを得る。
aさんは業務スキルが高い。それは間違っていない、でも、それがすべてではない。
bさんの強みは接客の中での対応力(気が利く、気が付く)があり、それはaさんには欠けている部分。どちらのスキルが優れているという問題ではなく、それぞれが持ち合わせていない部分を認めるということ。
まとめ
看板の位置は定位置に戻され、ガン飛ばしもなくなったわけだが、二人の関係性すぐにが良くなるということは決しなく。二人が会話する場面もない。お互いに少しづつ我慢をするようになってくれたというレベルだ。
担当売場の売上が給料に直結する仕組みや、同じ区画にスタッフを長期間固定させて運営の仕組みを根本から変えられるようなそんな人に僕はなりたい。