鎌倉圭氏はどんな人?
6社を同時に経営する凄腕の経営者であり、『仕事で認められる人は、見えないところで何をしているのか?』の著者である鎌倉圭氏。その肩書は、以下の6つです。
- 税理士事務所代表
- 広告代理店代表
- ミュージシャン
- 音楽プロデューサー
- 芸能プロデューサー
- モデル事務所代表
税理士などバリバリ左脳系の仕事から、音楽・芸能といったクリエイティブな右脳系の仕事まで、その仕事の幅の広さは圧巻ですよね。
意外だなと思ったのは、鎌倉氏のキャリアのスタートは税理士だという点です。
若いころから音楽の才能があって、ミュージシャンを目指していたわけではなく、何度も挫折しながらもコツコツ税理士になる勉強をしていたような学生時代だったそうです。
しかし、なぜそのようなちょっと控えめに言ったら「一般的な人」が、常識はずれの幅広いキャリアを歩むことができたのでしょうか?
目次
その理由は、著書のなかで「習慣化がすべてである。」と一言で語られています。
「自分自身で決めた習慣をやらないと気持ち悪くなるくらいまで追求する」という著者が、日頃、何を習慣にしているのかをご紹介したいと思います。
- 作者:鎌倉 圭
- 発売日: 2018/03/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
「思考習慣」の3つのポイント。
書籍の中では、40種類ほどの習慣とそのセオリーが紹介されていますが、思考にまつわる習慣に関して、ざっくりと3つのポイントに絞ってご紹介したいと思います。
①プライドは捨てる
プライドは誰にでもある感情
自尊心や虚栄心といった、「相手よりも自分が優位に立ちたい、バカにされたくない」というプライドは誰でも持っている感情です。
しかし、その感情こそが成長の機会を失わせてしまう最大の要因であると語られています。
大切なことは、1円にもならない余計なプライドはゴミ箱に捨ててしまい、「なんでもやります」という姿勢を持つことです。
一方、ある程度仕事が慣れた社会人にとっては、新入社員がやるような雑用や、自分以外の人に振れるような仕事まで引き受けなきゃいけないの?という疑問はあると思います。
大切なのは姿勢
僕の解釈ですが、そこで大切なのは「姿勢」の問題だと思います。
上記のような場合は「依頼をしてきた人から気持ちよく仕事を受け取る」というところまでが仕事。と割り切ることが大事ではないでしょうか。
時間は有限なので、自分ですべてやりきれなくても、誰かにお願いするという形で、引き受けた依頼を解決する手段も大いにありだと思います。
最初から「これ僕の仕事じゃないんで…」「いま時間ないんで…」というプライド全開の対応では、成長機会は一生めぐってこないでしょう。
②憑依させて考える
幽体離脱?
相手の人格に乗り移ってしまうくらいに相手の気持ちになって考えるということです。
時に、あり得ないほどの理不尽や、ありあまるほど身勝手な顧客や上司と一緒に仕事をしなくてはいけない場面もあります。
これを不運と捉えてしまうと、すべてが憂鬱になってしまいます。
しかし、相手の立場に立って、どうして?なんで?そんなことを言うのだろうか。
と考えることで、その相手を取り巻く状況、背景、価値観が見えてきます。
自分の経験を踏まえて
例えば、僕の場合でもこんなことがありました。
上司から重要だと任されていた案件Aという仕事。
スケジュールを握って、しっかり時間をかけ、念入りに企画書も作成していました。
そろそろ、上司に最終確認をしてもらうというタイミングで、こんなことを言われました。
「もうその案件は進めなくていいよ。それより、Bっていう案件で聞きたいことがあるんだけど?」
その時の僕は、「あんたが重要だといったから、自分がこんな頑張ったのに!」という上司に対する怒りの気持ちでいっぱいでした。
しかし、相手に憑依させて考えるならば、
「上司自身も「上司の上司」から突発的に指示をされたのかもしれないな。」とか、
「急な変更は上司の身勝手な判断ではなく、経営の方向性も関わっているかもしれない。」
など、一度立ち止まって考えることが大切です。
そして、その事実を掘り下げていくと、実は今まで自分が見えていなかった新しい発見があるはずです。
ちょっと、ポジティブすぎるかもしれませんが、個人に対して憎悪を抱くのではなく、事実を客観視して前向きに捉えるということを心がけていかなければいけません。
③モチベーションは高めない
この部分では、仕事への感情移入に対する感情移入に対するリスクについて語られています。
高いモチベーション
第1は、モチベーションが高いことに対するリスクです。
やる気にみなぎって志を持つことはもちろん良いことです。しかし、時としてそれがフィルターになってしまうこともあります。
どういうことかと言うと、目的に叶う仕事以外を排除してしまうという危険性もはらんでいるということです。
筆者である鎌倉氏は、「世の中にムダな仕事はない」「どんな仕事でも引き受けること」が、自分のキャリアを大きく切り開く成功法則だと語る中で、モチベーションを高めることは逆にチャンスの喪失につながると主張します。
低いモチベーション
第2は、モチベーションが低いことに対するリスクです。
これは言うまでもありませんが、「辛い」「悲しい」「嫌だ」という感情は、仕事の効率や継続を著しく低下させます。
朝に顔を洗うような感覚で、仕事を習慣として捉えて、気分に左右されない安定的なものにしていくことがコツだと思います。
考察
ゼロベース思考
本書を読んで感じた筆者の成功の秘訣に「ゼロベース」という考え方が根付いていると感じました。
新しい挑戦をするときも、「今はあれやこれややることがたくさんあるからちょっと…」と言い訳するのではなく、あくまでゼロベース。
経営者であれば、起業したての…
サラリーマンであれば、新入社員の…
そんなマインドでなんでもやってみようという考え方が継続的にできているのです。
それを支えるのが、感情に左右されず、事実を事実として捉える、ゼロベースの視点ではないかと思います。