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30代ビジネスマンの備忘録。 マネジメントやマーケティングに関するビジネススキルや、サウナ、ウィスキー、時計などの趣味について。

【専門スキル不要】文系サラリーマンが頭一つ抜け出るための数値化仕事術3選。

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数字が大の苦手

 

中学校時代から僕は、数学が大の苦手でした。

 

高校では、授業についていけず赤点を連発しており、

当然のことながら大学は文系を選択しました。

 

 

そのため、数学の授業中は、いつも睡眠時間か自習時間に充てていました。

 

文系の大学に進んで、営業系の職種に就けば、一生数字になんておさらばだ。

そんなような考えを持って、社会人になってしまいました。

 

しかし、世の中そんなに甘くはありません。

 

文系で営業職をしている僕でも、

 

  • 顧客に対して提案をするとき。
  • 上司に対して企画を通すとき。

 

必ずつきまとうのが、

「数字で根拠を示す」

ということです。

 

感覚や直感を言葉にするのは、苦手ではないのですが、

それを数字で表すとなると、とたんに頭が真っ白になります。

 

そこで痛感したことは、

「数字の説得力」の高さです。

 

同年代でも、ビジネスで活躍している同世代はやはり数字をうまく使って仕事をしています。

 

そんな彼らを横目に、これまで圧倒的に数字に対する勉強をサボってきた僕は、

何か専門的な知識やツールを使わなくても、数字に対する苦手意識をなくし、

実務に活かせないか?考えていました。

 

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そんな時、出会ったのが、『孫社長にたたきこまれたすごい「数値化」仕事術』という本です。

 

ソフトバンク孫社長は、あの仕事ぶりの通り、数字に対してとてつもないこだわりを持っている人物です。

 

そして、この本の筆者である三木雄信氏は、ソフトバンクの社長室に勤務し、

毎日のように、孫社長からビジネスに関する数値化の技術を叩き込まれたそうです。

 

この書籍では、網羅的に数値化の情報が盛り込まれていますが、

この記事では、本気で数字が苦手な僕が、

 

「これだけは押さえておかねば!」

 

と思ったポイントを3つだけ厳選してご紹介したいと思います。

 

目次

 

プロセス分析

 

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「数字で根拠を示せ」

これは、会社の上司の常套句です。

 

そしてそれに対して、なんとなくそれっぽい数字を片っ端から集めてきて、

エクセル表につくってしまう。なんていうのは、文系サラリーマンが一番陥りがちなミスです。

 

なんの根拠もない数字遊びの資料作成は、全く本質的でないだけなく、

時間のムダ以外なにものでもありません。

 

では、どうすればよいのか。

 

それは、まず自分の仕事のプロセスを分解してみることからスタートすることです。

 

それが、プロセス分析です。

 

プロセス分析をすることで、自分が最も注力しなくてはいけない部分はどこか。

というのを洗い出すことが必要です。

 

例えば、分譲マンションの新人営業マンSさんを例にプロセス分析を解説します。

 

では、はじめにプロセスを分けていくにあたり、始点と終点を決めます。

分譲マンションの営業であれば、

 

  • 始点⇒お客さんとのコンタクト
  • 終点⇒契約の締結

 

となります。

 

続いて、その中間プロセスまで含めて分解していきたいと思います。

 

  1. 初回接触・問い合わせ
  2. 物件案内・内見
  3. 購入申し込み
  4. ローン審査
  5. 契約

 

ここまでで、プロセスの大枠をつくることができたら、

いよいよ実績の数値を入れていきます。

今回は、Sさんの直近1か月の実績とします。

 

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いかがでしょうか。

皆さんは、どこに問題があると思いますか?

著しく数字を落としている②⇒③のプロセスが目立ちますよね。

でも、本当にそうでしょうか?

 

分譲マンションは一生の買い物です。

内見をしたからと言って、食べ物の試食と違いそんなすぐに購入を決定する人はいません。

一方、ある程度の購入の意思があって問い合わせをしているにも関わらず、

半分以上の人が内見のプロセスまで進んでいないほうが問題に感じませんか?

 

このように、数値を入れてプロセスを可視化することによって、

問題が見えてきます。

 

この分析によって得られた結論は、

Sさんが契約件数を上げるためには、①⇒②に進めるプロセスを改善する必要性がある。

ということになります。

 

回帰分析

 

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回帰分析とは、ざっくり説明すると因果関係の正しさを証明するための分析です。

 

  • 気温が上がると、アイスクリームの売上が伸びる。
  • 気温が下がると、ホットコーヒーの売上が伸びる。

 

これらの「気温の変動」という原因によって、「売れる商品が変わる」という結果がもたらされた。という事実は、感覚的にでもわかる至極当たり前のことです。

 

しかし、ビジネスの現場においては、何が原因で、それによってどんな結果がもたらされたかが、非常に不透明な場合が多いです。

 

それを、証明してくれるのが、回帰分析というわけです。

 

では、次の例で具体的に回帰分析について解説したいと思います。

 

不動産屋の新規出店に向けて、店舗開発担当のSさんは、

通行量の多い通りに面した店舗立地が良いはず。

と思っているのですが、その数値的な根拠が足りてない状況です。

 

まず、エクセルシートに既存店舗における通行量と契約の成立実績をまとめます。

 

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そして、データ部分を範囲指定した上で、「挿入」⇒「グラフ」。

「グラフ」の中にある「散分図」⇒「散分図(マーカーのみ)」をクリックすると、

一日の通行量と一か月の契約獲得件数をプロットした図があっという間に出来上がります。

 

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これが、右肩上がりの直線になっていれば、上記の要素について因果関係が成り立っているという証明ができます。

 

さらに、先ほど引かれた単回帰分析の直線をダブルクリックし、

書式設定画面で、「近似曲線のオプション」の中の

「グラフに数式表示する」と「グラフにR-2乗値を表示する」にチェックを入れると、

グラフ上(黄枠内)に数式が表示されます。

 

「R-2乗値」と表示されているものは、

このy=0.1213×5.222(交通量と契約率の因果関係)がどのくらい当てはまっているのかを示す値で、「決定係数」と呼ばれます。

これが、1に近いほど実際に分布に当てはまっていると言えるのです。

 

重回帰分析

 

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前項の単回帰分析では、1つの要因に対して因果関係の正しさを分析する手法でしたが、

実際のビジネスでは、原因となるものがたった一つのものである可能性は少ないです。

 

いくつかの要因が重なりあって、結果につながってくるという場合がほとんどです。

 

例えば、不動産の価格は何によって決まるか?

という問いに対してもたった1つの答えはないはずです。

 

  • 築年数
  • 面積
  • 駅からの距離
  • 階数

 

など…様々な要因が考えられます。

 

しかし、これらも重回帰分析を使うことで、

それぞれの要因の価格への影響値を数値で説明することができます。

 

重回帰に分析に当たっては、

事前準備として「データ分析ツール」をエクセルに入れる必要があります。

 

方法としては、

「ファイル」⇒「オプション」⇒「アドイン」。

下の方にある「設定」をクリックするとポップアップがでてくるので、

その中の「分析ツール」にチェックを入れOKをクリック。

 

物件や価格などの目的・説明変数は横に並べ、

各データは縦に並べます。

 

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これらのデータの範囲指定を行い、

データ分析ツールの回帰分析を選択します。

 

次に、範囲選択を求められますので、

「入力Y範囲」は、目的変数を指定する項目なので、

ラベルを含めて「価格」を選択します。

 

「入力X範囲」は、説明変数を指定する項目なので、

「階数」~「駅徒歩」までのラベルとデータを選択します。

 

最後に、「ラベル」にチェックを入れて、

「新規ワークシート」を選択すると、以下のような数値データが抽出されます。

 

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ただし、この数値データで僕ら文系サラリーマンが見るべきは、

「係数」の列だけでOKです。

 

この「係数」の見方については、以下のような形です。

分譲マンションの価格は…

・階数1階あがるごとに63万円さがる。

・面積に1㎡増えるごとに23万円あがる。

・築年数が1年増えるごとに29万円さがる。

・駅徒歩が1分増えるごとに21万円さがる。

 

ただし、このデータで1点だけ気になることがあります。

 

それは、階数が上がれば上がるほど、値段がさがっている点です。

一般的には考えにくいことですよね。

 

このようなイレギュラーな数値に対しては、検証が必要です。

  • 住民間の問題。
  • 日当たりの問題。
  • その他環境の問題。

自動計算だけでなく、実際にいくつかの要因を洗っていく必要はあります。

 

最後に

 

いかがだったでしょうか?

これらの数値ツール(特に回帰分析や重回帰分析)は、

慣れるまではかなり時間がかかると思います。

 

自分自身も、初めは頭で整理することができず、PCの前で苦悶していました。

数字が得意で理論的にすんなりできてしまう人もいますが、

まずは、量をこなして体に覚えさせるという努力が必要かなとも思います。

 

少しでも、ビジネスの数字で苦労している人の手助けになればと思います。