【企業分析】キャンプファイヤーから学ぶ新たな価値創造ビジネス。【クラウドファンディング】
クラウドファンディングとは?
クラウドファンディングとは、「群衆(クラウド)」と「資金調達(ファンディング)」を組み合わせた造語で、「インターネットを介して不特定多数の人々から少額ずつ資金を調達する」ことを指しています。
「こんなモノやサービスを作りたい」「世の中の問題をこう解決したい」といったアイデアや想いを持つ人は誰でも“起案者”として発信でき、それに共感し「応援したい」「モノやサービスを試してみたい」と思った人は誰でも“支援者”として支援できる、双方にとっての手軽さがクラウドファンディング最大の特徴といえます。
引用:https://camp-fire.jp/crowdfunding
僕自身がクラウドファンディングという言葉を知ったのは、
キングコング西野さんが絵本「えんとつ町のプぺル」の個展費用である約4000万円を、
クラウドファンディングで調達したというニュースがきっかけです。
銀行の融資や、個人投資家ではなく、
個人から資金調達をするという考え方にとても衝撃を覚えました。
そこから、徐々に「クラウドファンディング」というワード自体は耳にする機会が、
増えてきているように思います。
しかし、まだまだ日本では黎明期のビジネスモデルであり、
「怪しい」とか「よくわからない」という部分も多く、僕もその一人です。
そこで、そんなクラウドファンディング業界の草分け的な存在でもある
「キャンプファイヤー」の経営について分解して考えてみたいと思いました。
「キャンプファイヤー」の経営フレームワーク分析
- 「ターゲット」⇒顧客
- 「バリュー」⇒提供価値
- 「ケイパビリティ」⇒リソース・オペレーション
- 「収益モデル」⇒プロフィット
この4つの切り口から分析を行っていきます。
ターゲット
キャンプファイヤーは、以下の2者の橋渡しをすることが大きな役割です。
①プロジェクトオーナー
「こんなモノやサービスを作りたい」
「世の中の問題をこう解決したい」
という思いを持っている人。
しかし、個人や小規模のコミュニティもしくは、スタートアップ企業でこのような思いを持っている人にとって大きなハードルが資金調達です。
個別に準備できる資金には限界がありますし、
また、銀行の融資も条件は厳しいです。
このような人たちに、資金調達をする為の「場」を提供することが、
大きな役割になっていると言えます。
②出資者
「挑戦を応援したい」
「新しいモノやサービスを試してみたい」
という思いを持っている人。
このような思いを潜在的に持っている人は、
世の中にたくさんいると思います。
しかし、誰が、どこで、どんな挑戦、どんな商品やサービスの開発をしているのか?
というのは、普通に生活していたら、ほとんど情報として入ってこないと思います。
このような人たちに、出資する為の「場」を提供することが、
もう一つの大きな役割である言えます。
バリュー
従来の提供価値はマーティング活動や市場調査の中から、
顧客のニーズにいかに最適化された商品サービスを配給できるか?
「お悩み解決」的なものでした。
しかし、キャンプファイヤーをはじめてとして
クラウドファンディングで生み出される提供価値は、
「共感」や「応援」といった感情を通じて、生活に必要な不足を埋める為ではなく、
より能動的な価値を創出していると感じます。
それは、出資する側、される側両者にとって共通しているモチベーションだと思います。
ケイパビリティ
スマホ1台で、資金調達や事業の応援を円滑に行うことを可能にするプラットフォームそのものがケイパビリティだと言えます。
クラウドファンディングのプラットフォームで行われる取引は、
大まかに以下の3種類に分類ができます。
1.寄付型・・・出資のお礼は「特になし」
被災地支援や慈善活動が中心。
2.購入型・・・出資のお礼は「商品やサービス」
開発した商品そのものや、個展やコンサートの招待券。
3.投資型・・・出資のお礼は「金銭的リターン」
お金そのものがリターンになる。
また、キャンプファイヤーでは以下のような独自のサービスも取り入れています。
- 掲載無料
- 継続的な活動支援が可能なコミュニティ
- 保険制度
収益モデル
クラウドファンディング事業者は、
プロジェクトオーナーから何らかの形で手数料を取ることで、
利益を得ている収益モデルです。
つまり、総取引量額は増えれば増えるほど、好循環が生まれる構造だと言えます。
上記の図のように、国内の総取引額は増加傾向にあります。
キャンプファイヤーも2016年に入家一真氏が社長に復帰した際に、
総取引量増加とより多くの人にクラウドファンディングの間口を広げる為に、
手数料を20%⇒5%に下げるという大胆な決定も行われました。
(現在はプロジェクトオーナーのサポート面などを充実させることを理由に12%まで戻しているようです。)
まとめ
参照
CAMPFIRE:https://camp-fire.jp/
HUFFPOST:https://www.huffingtonpost.jp/
Fintenna:https://fintenna.jp/2624/
矢野経済研究所:https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2036