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30代ビジネスマンの備忘録。 マネジメントやマーケティングに関するビジネススキルや、サウナ、ウィスキー、時計などの趣味について。

【企業分析】オールユアーズから学ぶ物語としてのファッション【D2Cアパレルブランド】

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【企業分析】オールユアーズから学ぶ物語としてのファッション【D2Cアパレルブランド】

 

自己表現の手段としての「ファッション」という考え方は、

日々変化している気がします。

 

例えば、スティーブ・ジョブズのいつも変わらない「タートルネックジーンズ」というスタイル支持されたり、手持ちの服は「シンプルな数枚の服だけ」というミニマリストが注目を集めたり…

 

外見よりも内面が重視される傾向は明らかです。

 

では、アパレル産業はこのまま衰退していくのか?

という疑問もあります。

 

恐らく、国内の規模は確実に縮小していくのではないか。と思います。

 

しかし、一方で衣食住における道具としての服。

つまり、常にライフローテーションの中に組み込まれる「厳選された服」だけが、

これからは生き残っていくのだと思います。

 

そんな道具としての服を提案するアパレルブランドが、

今回紹介する<オールユアーズ>です。

 

オールユアーズとは?

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クラウドファンディングサイト<キャンプファイヤー>で、

24ヵ月連続のクラウドファンディングに挑戦し、アパレルブランドのカテゴリで国内最高額の支援を調達に成功したアパレルブランドです。

 

売店舗は持っているものの、メインの販路はECを活用した、

D2Cの形態をとっています。

 

主な商品ラインナップは、以下のような機能性重視の定番商品です。

  • 「水に濡れないパーカー」
  • 「ハイキック(できるほど伸びる)ジーンズ」
  • 「絶対に色落ちしない黒パンツ」

 

機能はあれど、世の中にそのような商品はあふれています。

その中で、なぜオールユアーズが顧客に支持をされているのかを、

経営フレーム分析に当てはめて考えることで深堀していきたいと思います。

 

オールユアーズの経営フレームワーク分析

 

  1. 「ターゲット」⇒顧客
  2. 「バリュー」⇒提供価値
  3. 「ケイパビリティ」⇒リソース・オペレーション
  4. 「収益モデル」⇒プロフィット

 

この4つの切り口から分析を行っていきます。

 

ターゲット

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「ブランドストーリーに共感するファン」

 

世の中に、ストーリーなきブランドはありません。

しかし、ストーリーを顧客に伝え、そしてファン化できているブランドというのは、

非常に少ないのではないでしょうか。

 

商品そのものではなく、ブランドのストーリーへの共感してもらうことで、

広く浅い短期的なものではなく、狭く深く長期的なターゲット戦略をしていると言えます。

 

バリュー

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「価値観の共有」

 

オールユアーズでは、「Unfashion」という価値観を提示しています。

 

オールユアーズの服は着飾るためのものではありません。

着る人を中心に服を考えると、ファッショントレンドや見た目、誰がつくったかという情報よりも大切なことがあると私たちは考えています。

アメリカで150年前に創業したLEVI'Sはファッションの会社だったでしょうか?CHAMPIONは? HANESは?

彼らは懸命に働く人のために、その人たちの生活のために生まれたブランドだったはずです。

20157月に創業した私たちは、未来を夢見ていまを楽しんでいる人たちに向けて、現代のワークウェアを提供したい。

その一心でブランドを立ち上げました。

近年、私たちの生活が変わってきています。仕事と日常生活。個人と組織。都市と地方。

これまではっきりとしていた境界線が、インターネットをはじめとするテクノロジーの進歩によって次第に曖昧になってきています。

この移りゆく時代の中で、本当に必要なものとはなんだろうか?

“仕事と日常生活関係なく着られる。着ているときはストレスがなく、その後の手入れも簡単。それでいてちゃんとして見える”

いまこの時代でそんなものが必要とされていると思うのです。

目新しいものではないかもしれない。特別なものでもないかもしれない。

でも朝起きたら、なぜかそれを選んでしまう。

気づいたら日常に溶け込んでいる。

特別な日のためではなく、日々の暮らしのための服。

オールユアーズはあなたの生活に寄り添う服を目指しています。

 

 

このようなストーリーによって共有される価値観が、

商品以上に顧客にとってのバリューとなっています。

 

ケイパビリティ

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クラウドファンディングクラウドキャピタルの活用」

 

オールユアーズでは、資金調達の段階でクラウドファンディングクラウドキャピタルなどのプラットフォームを活用することで、ストーリーへの共感やモノづくりの過程を共有する導線を上手く作っているのが特徴です。

 

資金を投入しようと思う、個人や投資家は必ずその企業の情報を確認します。

その際に、オールユアーズの提示するストーリーに必ず触れることになります。

 

そこから、ブランドのファンなっていく人々が増えます。

そして、そのような人の中には影響力を持つ人も多く、

そこからさらにブランド認知が広がっていくという好循環のサイクルが生まれるのです。

 

収益モデル

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オールユアーズでは、オンラインを通じて直接顧客に販売するD2Cの形態をとっています。

 

通常のアパレルブランドよりも小売店などの中間業者を介さないで、

商売をすることができるので、その分のコストを削減することができます。

 

情報は公開されていませんが、アパレル業界の中でも、

高水準の利益率を確保できているのではないかと考えられます。

 

まとめ

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参照