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30代ビジネスマンの備忘録。 マネジメントやマーケティングに関するビジネススキルや、サウナ、ウィスキー、時計などの趣味について。

【企業分析】シタテルから学ぶ新しいファッションのカタチ【縫製事業専門クラウドソーシング】

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【企業分析】シタテルから学ぶ新しいファッションのカタチ【縫製事業専門クラウドソーシング】

 

「最近、服を買う機会が少なくなった。」

そう感じているのは、僕だけではないと思います。

 

ここ数年なんとなく感じていたことですが、

コロナウィルスの影響によるテレワークの拡大や、大型イベントの自粛など、

リアルな場面での接点が急激に減少したことでより顕著に感じるようになりました。

 

そして、そのような消費者の動向に呼応するように、

アパレル業界も大手レナウン民事再生法申請をはじめとして、

非常に苦戦が強いられています。

 

また、一方で「着たいと思える服が、買える価格で販売されていない。」

というアパレル業界の課題もあると思います。

 

現状、SPAと呼ばれるユニクロなどの生産小売業と、

従来型のアパレルブランドで売られている商品を比較すると、

驚くほどの価格差があります。

 

もちろん、価格が高いものはデザイン性、素材の質感、機能性などのメリットは存在しますが、それだけでは埋め合わせが効かない価格差ではないかと思います。

 

その原因は、主に従来型のアパレルブランドの「中間業者」の多さが挙げられます。

アパレル業界は、川上から川下までのサプライチェーンの構造が複雑すぎて、

様々な部分で無駄な中間マージンが発生しているのです。

 

その点、そのサプライチェーンを1社で構築しているユニクロは、

超優良企業だと感じます。

 

しかし、すべての会社がそれをやりとげるだけの資本やノウハウを持っているか?

というと決してそんなことはありません。

 

では、どうするか?

 

という問いに答えるのが、今回の記事でご紹介する「シタテル」です。

 

シタテルとは?


【熊本県熊本市】  シタテル ~国内工場へのクラウドソーシングにより高品質な縫製を提供~

 

2014年に創業し、縫製事業専門クラウドソーシングサービスを行っている企業です。

 

服を作りたい企業や個人と縫製工場をインターネットでつなぎ、小ロットからでも服を作れるサービス「シタテル」を運営しています。

 

専門知識を持つコンシェルジュが、ロット数などを考慮してアパレル企業やブランドと工場をマッチングし、生産面をワンストップでサポートしています。

 

15,000社が利用し、縫製工場は約900拠点とのネットワークが確立されています。

 

シタテルの経営フレームワーク分析

  1. 「ターゲット」⇒顧客
  2. 「バリュー」⇒提供価値
  3. 「ケイパビリティ」⇒リソース・オペレーション
  4. 「収益モデル」⇒プロフィット

 

この4つの切り口から分析を行っていきます。

 

ターゲット

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「服をつくりたい人」

大手のアパレルやデザイナーブランドをはじめ、

非アパレル企業のユニフォーム製作まで、

服をつくることを望むすべての人がターゲットです。

 

バリュー

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サステナブルな生産体制の構築」

 

アパレル業界は中間業者が多いことによる弊害は、生産効率の悪さと同時に様々なムダが発生しています。

 

その状況に対して、シタテル社長の河野氏はこのように語ります。

「アパレル企業はCO2排出量や水質汚染、綿花栽培における殺虫剤の使用で環境に対してかなりの負荷をかけている。生産時の負荷に加えて在庫ロス問題もある。当社のシステムは受注生産で基本的に余剰はゼロ。生産時のコストもデータを収集することでより効率的な稼働を検討することができる」

 

ケイパビリティ

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サプライチェーンを可視化するプラットフォーム」

 

アパレルブランドが服をつくるときに、直面する問題はどこに、何を頼むのか?という最適解を持っていないことです。

 

その理由は、工場によっては縫製レベル、対応可能製品、料金、リードタイムなどに差異がありブラックボックス化されていることが大きな理由です。

 

その為、アパレルブランドは、いつもお抱えのOEM業者(生産代行業者)に依頼を丸投げし、そのOEM業者が商品の生産に最適な別のOEMに依頼をするなどの二重代行が発生しているのです。

 

しかし、サプライチェーンにおけるそれぞれのプレイヤーをデータベース化することで、

シタテルでは無理で無駄のない最適なマッチングを行うことを可能にしているといえます。

 

収益モデル

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シタテルの収益源は、マッチング手数料です。

 

創業時は、中小企業と個人間のマッチングが中心だったそうですが、

データベースの拡大とともに、大手アパレルや海外工場との取引も増加しています。

 

今後、より一層データベースが強化されると同時に、

収益性も増加していくことが考えられます。

 

現代においても、特にアナログ要素が強いと言われるアパレル業界のデジタル化に期待が高まります。

 

まとめ

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参照