【企業分析】atama+から学ぶ新時代のAI教育モデル
現在の日本教育の課題
- 150年前の当時の最先端企業である富岡製糸場
- 現在の最先端企業であるグーグル
当たり前のことですが、その労働環境において求められる人材は大きく異なります。
・150年前、社会で活躍できる人=マニュアルをきちんと読んで、それをミスすることなく実行できる人。
・現在、社会で活躍できる人=新しいアイディアを考え出して、仲間といっしょに新しいことを生み出せる人。
150年という期間においてビジネスにおける環境がこれだけ変化している中、ほとんど変わっていないものがあります。
それが、日本の学校教育です。
教室の前に黒板があり、生徒たちの前で先生が授業をしている風景です。
世の中には、「変えるべきこと」と「変えないべきこと」があると思います。
この学校教育の例は、明らかに前者の「変えるべきこと」だと感じます。
なぜなら、板書をするだけのインプット型の教育では、現在求められているアウトプット型の能力を身に付けることは困難だと思うからです。
僕自身も日本的な教育しか受けていない人間として感じることは、自分の考えを主張したり、新しいことを創造するということに苦手意識を持っているという課題意識です。
このような日本教育における課題に対するソリューションが、atama +が提供するAI教育モデルです。
Atama+とは?
革新的なAI教材として注目を集める「atama+(アタマプラス)」。AIが生徒の学習状況を分析し、一人ひとりに合わせた「専用カリキュラム」を自動的に作成し提供することで、学習効果を飛躍的に高められるという。個別指導塾を中心に予備校や私塾に導入が進み、創業より2年で500教室を突破。
Edtechzine:https://edtechzine.jp/
「atama +」のビジネスフレームワーク分析
- 「ターゲット」⇒顧客
- 「バリュー」⇒提供価値
- 「ケイパビリティ」⇒リソース・オペレーション
- 「ビジネスモデル」⇒プロフィット
この4つの切り口から分析を行っていきます。
ターゲット
「中高生」
メンバー全員がターゲットユーザーについて共通認識を持つために、解像度の高いペルソナ像を共有する取り組みを行っています。
居住地、学校名、部活、志望校、学力、学習姿勢、理解力、学習時間、趣味、よく使うアプリ…といった情報が設定され、実際のモデルを起用して写真パネルを作成し、1体30万円ほどのコストをかけてフィギュア化するほど徹底されています。
バリュー
「想像力・コミュニケーション力・プレゼンテーション力」
「atama +」の考え方は、AIで従来の基礎学習に投じる時間を圧縮し、従来の日本の学校教育では行われなかった想像力・コミュニケーション力・プレゼンテーション力への時間投資を捻出するという価値提供をしています。
ケイパビリティ
子どもの教育に関わる人々を様々な側面からAIによって支援する機能を持っています。
1.生徒向け⇒『atama+』
AIが一人ひとりにフィットしたカリキュラムを提供し、最短ルートの学びを実現する学習支援。
2.教師向け⇒『atama+ COACH』
全生徒の状況をリアルタイムに把握することで最適なコーチングの実現を支援。
3.保護者向け⇒『atama+ HOME』
家庭学習の個別最適化へのニーズに応える支援
ビジネスモデル
「Cに接近、Bから入金」
世界的にも力を持っているプラットフォーム事業における共通点は、多くの消費者をその身近さや便利さ、手軽さで集客しながら、そこに多くのビジネスパートナーを巻き込んで利益を出しています。
Google、Facebookがその典型的な例だと言えます。
つまり、C:消費者に接近、B:ビジネスから入金。ということです。
Atama+は、まさに日本の教育においてそのポジションを狙っているのです。
まとめ
Atama+のAIによる効率的な教育によってもたらされる時間。
生徒や保護者はAI教育によって獲得できた時間をどう過ごすか?
より主体的でクリエイティブな人材になる為に、その獲得した時間の過ごし方がもっとも大切なように思います。
その時間は、AIによる提案ではなく、自分の頭でしか考えられないことだと思います。
決められていたことに従っていれば、ある程度の幸せが手に入った過去から、自分のその幸せを掴み取りにいかなければならないこれからの時代の難しさも感じました。
中高生の教育においても、社会人の学習においても、自分と向き合うということの重要性を感じさせられますね。