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30代ビジネスマンの備忘録。 マネジメントやマーケティングに関するビジネススキルや、サウナ、ウィスキー、時計などの趣味について。

口先だけで調子の良い男性部下に天罰が下った話。

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口先だけで調子の良い男性部下に天罰が下った話。

 

「大丈夫っすよー。」

「任せといてくださいよー。」

 

部下のH君は、とても調子が良いやつです。

何事も楽観的に受け止め、すぐに引き受けてしまう。

そんな性格の持ち主で、憎めないやつという印象でした。

 

しかし、彼の欠点としてはアウトプットが「めちゃくちゃ雑」であるという一面もありました。僕はその部分を課題認識していたのですが、とにかく彼の持っている仕事の量が多すぎて、一つ一つを指摘や修正する時間はとてもありませんでした。

 

重なったミス。

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そんなことを思っていたある日、とんでもないことが起こりました。

 

部長からの雷

朝イチ、僕とH君が部長に呼ばれ「この適当な資料を作ったのは誰だ?」と、H君の資料に関する指摘を受けました。

よりにもよって彼は「部長の指示通りに作っただけっすよ。」と余計な言い訳をしてしまい、部長の逆鱗に触れる羽目になりました。

 

事務員たちの怒り

部長からの雷が落ちた直後、事務の女性たちからH君から提出されなければいけない書類で締め切りを過ぎたものがたくさんある。というクレームも頂戴しました。

いつものH君なら調子よく都合の良い返しをするのですが、部長の逆鱗に触れてしまった直後で何も言えず彼は書類を受け取るだけでした。

このあたりのタイミングを押さえ方は、ベテラン事務員はさすがだと思います。

 

取引先からの電話

取引先からH君宛てに、予定している商品の発注書がまだ届かないという催促の連絡が入りました。それは、彼が担当している大型の案件で、書類の作成には今日一日では間に合いそうもない分量でした。

しかし、本来の発注期限は既に過ぎてしまっていたようで、すぐにでも取り掛からないといけない緊急事態となってしまいました。

 

癖者マネージャーの出現

僕と数人の部下もフォローに入りH君とヘトヘトになりながら、部長への資料の作り直し、社内書類の作成、取引先への発注書の作成に追われていました。

 

そんな状況に追い打ちをかけるように、また新たなトラブルが発生しました。

となりの部署の癖者マネージャーが、H君宛てにやってきたのです。

内容は、その部署と連携して進めようとした企画の進捗状況の確認でした。

相手側はすべての段取りを終え、あとは僕らの部署の担当分を待っているということです。

H君は青ざめた顔をしながら、謎の言い訳を始めてしまいました。

 

「だから、いつまで待たせるつもりなんだ!」

と相手のマネージャーが怒りだしてしまったので、間に僕が入りなんとか3日間の猶予をもらう約束をしました。

 

退社後

いつもは調子の良いH君もこの時ばかりは、さすがに堪えたようで、相当落ち込んでいる様子でした。

 

僕にも上司としての責任があります。

H君の言葉を信じすぎて、彼を放任しすぎていたことを反省しました。

 

そして、帰りの居酒屋で今回の出来事の振り返りをしました。

 

反省会で彼と話したこと。

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楽観的で前向きなスタンスは変えるべきでないということ。

正直、H君は僕が認識をしていなかったほどの多数の仕事を請け負っていたことが、今回の件でわかりました。

 

量だけで見たら社内でもトップクラスかもしれません。

 

それはひとえに、H君の楽観的でありながらも前向きな姿勢が多くの人に受けれてもらっているからだと思います。

 

だから、今回の件でそのスタンスを変えてしまうのはもったいないという話をしました。

 

自分が持ち切れない球は持つべきではないということ。

 

しかし、一方で自分の仕事のキャパシティを認識するということも大切です。

 

舞い込んできた仕事をすべて引き受けてしまうことは、今回のような事故を引き起こしてしまう最大の原因であることは身をもって実感したはずです。

 

自分の能力と割ける時間のバランスから、依頼された仕事を選別して、時にはお断りすることが、最終的にはH君自身の信頼につながるはず。という話をしました。

 

人を最も怒らせるのは「できない言い訳」であるということ。

 

最後に、最もよくないのは「できない言い訳」であることを伝えました。

 

仕事は、良くも悪くも「結果」で見られます。

仕事の依頼者にとってはそこまでのプロセスは、さほど重要ではありません。

なので、その仕事が出来なかった経緯などは、正直どうでもいいことなのです。

 

まとめ

H君のように前向きで明るく、周囲に人が集まるというのは一種の才能だと思います。

 

しかし、これまでの彼の働き方を見ていると、周囲に集まっている人はいつも違う人達が入れ替わり立ち代わりという印象です。

 

つまり、リピートでH君と仕事をしている人は少ないということです。

関係性が長続きしないのは、どこかで相手の信頼を失うような「彼と仕事をするのは今回だけで十分だな」と思わせてしまう要素があることに他なりません。

 

今回たまたまそのような負の要素が重なって事故になったことで、その部分が改善される気づきとなれば、彼の大きな成長にもつながるだろうと感じています。