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30代ビジネスマンの備忘録。 マネジメントやマーケティングに関するビジネススキルや、サウナ、ウィスキー、時計などの趣味について。

何年経っても「いい人」止まりの部下の仕事レベルが上がらない理由。

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何年経っても「いい人」止まりの部下の仕事レベルが上がらない理由。

 

「ほんと、いい人ですよね。」

 

誰から話を聞いても、そのような評価のIさん。

 

Iさんは、40代で転職してきた契約社員です。

物腰がとても穏やかで、いつも笑顔を絶やさないIさんは、職場でも「いい人」の代表的な存在です。

 

僕の部下になったときには、転職後数年経っていて、40代半ばに差し掛かっているところでした。

 

しかし、そんなIさんですが、通常であればある程度上がっていてもおかしくない職務の等級が入社時と全く変わっていないことを不思議に思いました。

 

転職組だから不遇を受けるということは、これまでの社内事例からもありません。

何か別の理由があるように感じました。

 

しかし、Iさんと同じ職場でその働きを見ているうちに、徐々にその理由がわかってきました。

 

仕事のレベルが上がらない理由

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その理由として、大きく3つのことを感じました。

 

1.言われたこと以外やれない

 

Iさんは、所属する5名単位のチームにおいてサポート的な役割を行っていました。

 

彼の業務は、サポートすることが主な役割なので、自分で何かの仕事を生み出す必要はありませんが、入力されたことをそのまま出力するだけでは機械と同じです。

 

つまり、指示をする側が雑なインプットをすれば、そのまま雑なアウトプットが出てきてしまうといった具合でした。

 

そのような指示であっても、Iさんの経験や考えによる付加価値のあるアウトプットをすることで、Iさんがサポートをする意味が出てくるのだと思います。

 

もちろん、雑なインプットをしてしまう側が悪いのは言うまでもありません。

 

しかし、何の疑いもなく雑なものを雑に返してしまうIさんにも問題があると感じたのです。つまりは、同じような業務を繰り返しているのに、経験値が貯まっていない証拠でもあるように思えたのです。

 

2.同じミスを繰り返してしまう

 

Iさんは数字が少し苦手です。

自分で計算が必要な仕事になると、とたんにミスが多くなります。

 

それも、毎回経理部門から注意を受けているにも関わらず、同じような部分をミスしていることが多いのです。

 

先ほどの話とも重なりますが、それはつまり、1回ごとのミスの度に貯めなければいけない経験値が貯められていないということになります。

 

それによって発生するのは、一定以上の信用が溜まらなくなるという現象です。

 

チームのメンバーもここまではIさんに任せられるけど、

これ以上は自分でやった方が良いな。

 

という見えない線引きをしていることがわかりました。

 

この線をIさんが越えていかないと、Iさん自身のことだけでなく、チーム全体の生産性は上がらないように思います。

 

3.なぜそれをやるのかを考えていない

 

ここまでのIさんの仕事ぶりを振り返った時に、一番重要なことは根本的な仕事に対する考えを持ってもらうということだと感じました。

 

つまり

・そもそもなぜその仕事をする必要があるのか?

・何の目的でその仕事があるのか?

 

このような思考が抜け落ちていることが、彼の仕事の幅が広がらない理由だと思いました。

 

Iさんに成長してもらう為に…

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チームのメンバーに対してお願いしたこと

Iさんに仕事を依頼する時に、その背景から伝えることを意識してもらうようにしました。

そうすることで、少し時間と手間はかかりますが、チーム全体の生産性につながることも含めて説明しました。

 

Iさんに対してお願いしたこと

「フィルターを通そう」ということです。

 

Iさんが何か仕事を引き受けた時に、Iさんなりの+αの価値をつけることを意識しよう。

ということです。

 

どんな些細なことでもいいので、どうすればチームメンバーがIさんに頼んで良かったと感じられるか?を考えることで、仕事に対する理解と経験値の蓄積につながると思ったからです。

 

まとめ

Iさん自身はめちゃくちゃいい人ですが、その裏側にはチームの中でも、自身が最年長にも関わらず仕事を十分に理解できていないことに対しての負い目もあったのだと思います。

 

わからなくても聞くことができない恥ずかしさを、「笑顔」で隠していた。

とも言えるかもしれません。

 

しかし、そのプライドや恥じらいを捨てて思考を働かせることで、「いい人止まりな人」から「信用される人」へ成長できると信じています。