上司として物事を言い切ってしまうことの大切さ。
「自分の意見これだ。」
そんな風に自分の立場を明確にして考えをハッキリと言える人って、日本人だと意外と少ないんじゃないかと思います。
同調圧力が強い社会の中で生きていると、どうしても自分の考えを丸めてしまいがちです。
また、「自分の知識や見識が足りない」という自己暗示から、ヘタなことを言って恥ずかしい思いをしたくないという自信の無さもハッキリ物事が言えないことの理由の1つとしてあると思います。
僕自身は、まさにこのような人間でした。
出来るだけ発言は控え、波風は立てず、おとなしくしている。
これが、社会人としての礼儀だとすら思っていました。
しかし、マメジメントという立場になってその考えが、いかに間違っていたか。ということを痛感することになります。
マネージャーになって起こった悲劇
マネージャーになりたての頃、僕の部下や取引先とのコミュニケーションの表現は、いつも「〇〇だと思う。」、「〇〇かもしれない。」という曖昧な言葉に終始していました。
その結果、起こったことは自分の思いや意図が全く相手に伝わっていないということでした。自分がここだけは大切なポイントだと思っていた部分も、相手は全然認識してくれていない。
部下との面談や、取引先との商談には、それなりの時間をかけていました。
にもかかわらず、僕の意図が十分に伝わっていなかったらその時間は水の泡です。
この時の僕の反省は、「思っている」「かもしれない」などの弱い表現では相手に伝わらない。ということです。
これまでずっとどことなく躊躇してしまっていた、「物事を言い切る」ということの重要性を再認識させられたのでした。
「物事言い切り」の使いどころ
自分の考えをしっかりと言い切ることの重要性は、嫌というほど認識しました。
一方、全ての場面において大胆に言い切ってしまえばいいという訳ではないと思います。
場面による使いどころとリスク認識をする必要があると思います。
1.これから未来に向けて行っていくこと
変化の激しい社会の中で、確実な未来を予想することは誰にもできません。
しかし、その中でも明確な指針とスタンスを持ってワンピースの主人公ルフィの名言「海賊王に俺はなる!」のようなハッタリとも言える宣言をしてしまうことが、かえって周囲を巻き込むことにつながるのだと思います。
2.答えが出せない問題
AとBどちらかを選択しなければいけない。そして、どちらをとっても同じくらいのメリット・デメリットがある。マメジメントでは、そのような答えの選択を迫られる場面があります。
しかし、そのような時ほど自分の信念やビジョンに近いものを見極めて「こっちの道へ行こう!」とはっきり示すことが大切だと思います。それは、信念やビジョンといった自分が大切にしている目に見えないものを周囲に浸透させるチャンスにもなります。
3.パブリックに対しては注意が必要
マメジメントをしていると時には、顧客や対外的に向けて何かを発信する場面があります。
その際に、使われる数字やデータそしてロジックに関しては、慎重になる必要があります。身内とは違い、発表したものの整合性に対して責任が発生するからです。
こういった確実にそう言える根拠を示すことができない部分だけはあえて明言を避けるということもテクニックの一つとして重要です。
まとめ
- ・曖昧な言葉は思っている以上に伝わらない
- ・伝えることができなければビジネスは進まない
- ・未来のことや正解がない問題に対しても自分なりの主張を言い切ることが大切
- ・ただし、身内に対しての発言とパブリックに向けての発言は意図が異なることを認識し、内容を柔軟に変える必要がある。