【書評】『人生を変える習慣のつくり方』から学ぶ習慣化の4タイプ。
「習慣化」というのは、個人的にも非常に関心があり、日々意識しているジャンルの一つです。
これまでも、「習慣化」についていくつかのブログ記事でも、考察をしてきました。
そんな僕が、今回手に取った『人生を変える習慣のつくり方』は、これまでの読んだことのある習慣化本とはちょっと異なるアプローチを提案していました。
それは、すべての人に通用する「習慣化のアプローチ」というものは存在せず、人のタイプによって適切な方法が存在するという考え方です。
本書では、大きく人間の特性を4つのタイプに分類し、それぞれに合った「習慣化のアプローチ」を提案しています。
今回は、本書を参考にしながらタイプごとの特徴やそれぞれのタイプでどういう意識を持てば習慣化に成功するのか?という視点で、考察をしていきたいと思います。
習慣化の4タイプ
本書では、人間の特性を4つのタイプに分類する上で、「期待」というキーワードを重要なファクターとして置いています。
「期待」とは、「自分自身が行動によって期待すること」と「他人が自分の行動に対して期待すること」の2種類に分類されます。
この2軸から、習慣化の特性は定義されていきます。
その前提を踏まえ、分類を見ていきたいと思います。
1.アップホルダー(約束を守る人)
外から課せられる期待と自分で課す期待の両方に進んで応えようとするタイプ。
長所:自己防衛本能が優れていて、他人から期待される「責任を果たす」「約束を守る」「締め切りを守る」という部分だけでなく、自分で「やるべき」と決めたことに対しても必要な時間を確保することができる。非常にバランスの取れたタイプだと言えます。
短所:何が期待されているのかわからない状態や、守るべきルールが存在しない状況において、自分自身で判断をすることが苦手とします。
習慣化のポイント:「報酬を明確にすること」
他人との約束、自分との約束の両方において、約束を果たすことで得られる報酬が明確であるほど、アップホルダーのタイプは努力をすることができます。
・〇〇というミッションを成功することで、××というポジションが約束される。
・〇〇を達成することで、××円もらえる。
2.クエスチョナー(疑問をもつ人)
あらゆる期待を疑問視し、自分で正当だと判断した期待にだけ応えようとするタイプ。
長所:あらゆる期待を疑問視し、納得できるまで徹底的に調べた上で、理由や倫理に納得できたときや、公正だと感じたときに、初めて期待に応えようとするタイプ。
短所:「一般的に正しいとされていること」や「他人が決めたこと」に抵抗を覚えやすいという特徴がある為、何かに取り組むまでの時間がかかる。(もしくは、時間をかけた結果取り組まない。)
習慣化のポイント:自分にとって「正当な理由」を見つける。
周囲から異端と思われても、自分だけが正しいという理由を発見することで、習慣を続けることができる。
3.オブライジャー(義務を果たす人)
外からの期待には進んで応えるが、自分で課す期待にはうまく応えられないタイプ。
長所:他人の要求や締め切りに応えることが得意で、課せられた責任は何としてでも全うしようとするサラリーマン気質を持っています。
短所:誰かの期待を裏切ってしまうことを何よりも恐れる一方、自分に課した期待は簡単に裏切ってしまうという、相反する意思力を持っています。
習慣化のポイント:自分にとって期待したいことを他人からも求められる環境に身を置くことがポイントです。習慣化を達成するには、自分だけの強い意思力は持ち合わせていないことを認めつつ、他者からの課せられる責任をうまく応用していくことが必要です。
4.レブル(抵抗する)
外からの期待、自分で課す期待に関係なく、あらゆる期待に反発するタイプ。
長所:自分の心に正直であること、自分で判断することに高い価値を置いており、反発のエネルギーを建設的に使うことに長けています。
その為、「未開拓」を切り開くというイノベーションに向いている人材とも言えます。
短所:何にでも反発してしまう姿勢は、相手に対して天邪鬼という印象を持たれがちで、組織や集団の中で働いていくことが苦手な側面があります。
習慣化のポイント:「習慣化を広い意味で捉える」
レブルタイプは、「毎日1冊本を読む」や「毎日朝〇時に起きる」といった具体的な習慣は、自由を望む彼らにとって「自分に制約がかけられている」というネガティブな捉え方になってしまいがちです。
このようなタイプは、「毎日、後悔のない選択する」「毎日、何か新しいことに挑戦する」といった広い意味での習慣の定義が向いていると言えます。
習慣化を身に付ける上で最も大切なこと
「自分のタイプを深く理解すること」
これが、最も重要なことであり、本書の主張でもあります。
そして著者は、どの傾向であっても、経験や知識の積み重ねで、その傾向のマイナス面を相殺することができると言います。
何かを始める時は、思うように結果が出ず、自分のマイナス面ばかりが目についてしまうと思います。
しかし、目を向けるべきはプラスの面で、そこに伸ばし続けることによって、結果的にはどのタイプであっても、大きな成果を出すことは可能だと言えます。
まとめ~僕の場合はどのタイプか?~
本書を読んで、自分はどのタイプに当たるのか?と考えてみました。
結果、オブライジャー(義務を果たす人)タイプ。
というのが、暫定的な結論です。
僕自身、ゴリゴリのサラリーマンですし、仕事自体も好きです。
そして、このようにブログで執筆している内容も、仕事のスキルアップや能力向上につなげていきたいという、いわば「他者から課せられた期待」が原動力になっている部分は否定できません。
「本当に自分に対して期待することは何か?」という見つけることは、本書で示されているように苦手なことの一つです。
しかし、「他者からの期待」による積み重ねを通じて、自分にとって大切なことも見つけることができるはずと信じて、これからも頑張っていきたいと感じます。